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Dog photography and Essay

Dog photography and Essay

上海大観園(紅楼夢)2


 
「賈宝玉の住居怡紅院」

「中国写真ライフ」では、
上海「大観園(紅楼夢)」の写真を公開しています。

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炎帝神農氏の子孫の共工と呼ぶ古代中国神話に登場する神の、
姿は人面蛇身に朱色の髪を持ち、洪水を起こす水神とされ、
天地を打ち崩すほどの怪力をもち、共工は神話上の帝王の高陽と、
帝の地位を争ったが敗れ、怒りにまかせて暴れ回った末に、
天を支える柱がある不周山に激突したため天柱が折れてしまった。

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中国の河川が東南方向に流れている理由に関して神話の中に、
天は傾き西北が低くなり、地は東南がへ込んでしまっため、女禍が、
補修した天は再び破れ、地もひび割れたが、直す神はあらわれず、
太古の昔、中国の河川が東南方向に流れるようになったとされる。
写真は、怡紅院の入り口で賈宝玉の住居で絳芸軒など4部屋ある。

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「相思相愛の関係だった」

「中国写真ライフ」では、
上海「大観園(紅楼夢)」の写真を公開しています。

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私が中国へ来た当時は三国志、水滸伝、西遊記の物語は見ていたが、
紅楼夢に関しての知識は乏しかった。ゆえ、紅楼夢に出会った時は、
新鮮な感じがしてDVDを探し回り、見つけた時はうれしく、街角で、
売っているDVD価格の5倍ほどしたが、買って来てむさぼり、
見たものだった。もう13年前の事で、その頃中国では、
ビデオよりVCDの方が普及しており驚いた。

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写真は賈宝玉が住んだ怡紅院の入口だが、賈宝玉は勉学が嫌いで、
豪邸に同居する美少女たちと風流生活を送り、趣味の合う美少女の、
林黛玉と相思相愛の関係となるが、二人はお互いに引かれながらも、
些細な嫉妬から大喧嘩をし、賈宝玉は薛宝釵と結婚する。病弱な、
林黛玉は恨みを抱いて死ぬ事に、その後賈家は家産を没収され、
悲惨な結末を迎えるが、そのドラマを、怡紅院が物語る。

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「賈宝玉と林黛玉が碁を打つ」

「中国写真ライフ」では、
上海「大観園(紅楼夢)」の写真を公開しています。

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門楼を抜けて正面の右側に怡紅院へ入る内門があり、通霊や、
絳芸軒や東廂房、後廂房の4室からなっている。宝玉の、
日常生活の場である絳芸軒の東側は宝玉の寝室で、
酔っぱらった劉婆さんと板児の人形が置かれてる。
その隣は襲人と晴文の寝室で、東廂房は宝玉の静養室である。

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賈宝玉の住居である怡紅院の書斎である通霊の中に入ると、
賈宝玉と林黛玉が碁を打っている場面の蝋人形と、賈宝玉の、
身のまわりの世話をする付人である襲人と林黛玉の付人の、
紫鵑だが、林黛玉が上京してきた時に侍女としてついた。
写真は通霊で宝玉の書斎で碁を打つ宝玉と黛玉の姿だ。

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「驚くほど豊満な女性が増加」

「中国写真ライフ」では、
上海「大観園(紅楼夢)」の写真を公開しています。

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古来より中国では美人の条件として腰が細く雪のように肌が白い事。
また美人には2つのタイプがあり、楊貴妃のような豊満な美人と、
前漢成帝の皇后の趙飛燕のような痩せ形の陽柳美人で、紅楼夢でも、
薛宝釵は豊満美人で、林黛玉はやせ細った低血圧美人という感じだ。
中国人全体像は、ほっそり形の美人を好んでおり、豊満な人は、
グラビアなどでは重宝されるものの恋人や妻には敬遠されがちである。
 
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楊貴妃などは別格で多くの皇帝が、細腰を好んだため女性たちは、
痩せるために食事も満足に摂らなかったという話が伝わっている。
だが今の中国の若い人の中には、日本と同様ファーストフードを好み、
驚くほど豊満な女性が増加した。紅楼夢に出演したヒロインも、
柳腰の美人が多く採用されて、林黛玉は典型的な柳腰美人だ。

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「英蓮が行方不明になる」

「中国写真ライフ」では、
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紅楼夢の物語は一度見たからと言って直ぐに理解できなかった。
私が見た連続テレビドラマ紅楼夢が字幕もない中国語だったので、
理解に苦労したのかも知れない。これより簡単に物語の内容を、
紹介して行きたいと思うが、出て来る人物の名前を書くのが大変。
なぜならば、中国語の簡体字で書かれた名前は、楽天では使えない。
また中国語の読み方は分かるが、日本語の読み方がまた苦労する。
そんな言い訳をまず先にしておけば、私も気が楽になると言うもの。

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蘇州で甄士隠の一人娘の英蓮を元宵節(1月15日)の日に家人の霍啓に、
娘を託し提灯を見に行かせたが、霍啓が目を離した隙に英蓮が、
行方不明になる。霍啓も罰を恐れて失踪する。士隠夫婦は泣き暮らし、
また隣の葫蘆廟から出火し屋敷が全焼してしまう。甄士隠は、
通りすがりの道士の後を追い、逃げ出す。出火した葫蘆廟には、
貧乏書生の賈雨村が寄宿していたが甄士隠と友人関係で甄士隠の、
援助を受け科挙に合格し、甄士隠の父が居る地の府知事として赴任。

だが上司に弾がいされ数年で罷免され、その後諸国を旅していた折、
揚州の林如海より娘林黛玉の家庭教師を頼まれる事となる。

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「林黛玉と薛宝釵が上京」

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林如海の妻であり林黛玉の母は病気のため他界し林如海は林黛玉を、
妻方の実家である賈家へ送ることを決め、賈雨村に同伴を頼んだ。
長安の賈家は大貴族であり栄国邸に到着した晩、林黛玉は賈宝玉と、
初めて顔を合わせるが、以前に出会った事があると林黛玉は驚く。

その一方で豪商の薛蟠は、妹の薛宝釵を都へ送り届けるため出立の、
用意をしていた所へ行方不明になった甄英蓮を誘拐犯が売りに来る。 

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薛宝釵の兄薛蟠は人に命じ誘拐犯馮淵を討ち果たす。法的な罪は、
府知事になった賈雨村が薛蟠を救った。英蓮は薛宝釵により香菱と、
名を改め薛宝釵らと共に上京する。薛宝釵たちを呼んだ薛未亡人は、
賈宝玉の母の妹にあたり、栄国邸へ出て来たが、薛宝釵の母である、
薛未亡人は林黛玉の母親代わりとなり一時期、瀟湘館に住んでいた。
紅楼夢は、複雑に交差した人間関係を理解するとより面白くなる。

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「誰にも命運は分からない」

「中国写真ライフ」では、
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大貴族の賈家の造園した大観園に集まった登場人物の運命は、
太虚幻境の薄命司に納められた「金陵十二釵正冊」の中で、
定められていた事だった。我々が今の人間関係の中で生活し、
将来また新たな人間関係や出来事なども、既に定められており、
誰にもその定めが分からないからこそ生きて行けるのかも知れない。
だが、過去は変えることが出来ないが未来は変えられるのではと、
信じて疑わないが、それも哲学の書物から、そう思うだけである。

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寧国邸の梅の花を観る宴に招かれた賈宝玉は、秦可卿の部屋で、
昼寝をしていたとき、夢の中で太虚幻境を訪れ、薄命司に、
納められている金陵十二釵の女性たちの運命が克明に記された、
金陵十二釵正冊を目にする。この時点では書かれている意味を、
深く考えなかったが、薛宝釵と結婚をすると同時に、林黛玉が、
他界したことや、頑なに拒否していた科挙試験の勉学に勤しみ、
合格したが無情さを感じ、また太虚幻境を訪ね正冊を見た時に、
何かを悟った賈宝玉は、薛宝釵と子供を捨てて出家をしてしまう。

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「賈宝玉と金陵十二釵」

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金陵十二釵といわれる十二人のヒロインの名を挙げてみたい。
林黛玉---宝玉の従妹で、詩才と機知に富む一方病弱で繊細。
薛宝釵---宝玉の従姉で、健康で明晰、円やか、優等生型少女。
賈元春---宝玉の同母姉。皇帝に召されて貴妃となった。
史湘雲---賈母の実家の史家一族で、両親を早くに亡くしている。
王煕鳳---宝玉の伯父賈赦の息子の妻。宝玉の母方の従妹でもある。
秦可卿---宝玉の曾祖父初代栄国公の兄初代寧国公の玄孫の妻。


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賈迎春---賈赦の娘で宝玉の従姉。善良だが無力な人物。
賈探春---宝玉の異母妹で、賢明で詩才のある美少女。
賈惜春---賈珍の妹で絵心があり大観園の絵図を描いたことがある。
賈巧姐---王煕鳳と賈蓮の娘で王煕鳳が他界する前に劉婆に託す。
妙玉---有髪の尼僧。聡明にして文筆の才あり大観園内の草庵の庵主。
李丸---賈元春の夫である賈珠の妹。一番年上で海棠詩社の代表。

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「劉婆は王熙鳳と面会する」

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紅楼夢では金陵十二釵の12人のヒロインの侍女たちの存在も、
紅楼夢物語を引き立たせ、彼女らの生きて来た不運さも心を引く。
そんな中、紅楼夢のヒロインの中で75歳という一番の年配役。
長安郊外に住んでいる農家の王狗児の義母で、名を劉姥姥と呼び、
通称劉婆と呼ばれ身の上は、その冬も越せそうにない貧困ぶり。
顔見知りの紹介で王熙鳳と面会でき劉婆は、栄国邸を訪れる。

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王熙鳳に物をねだろうとするが、劉婆は床に手をつき頭を下げるしか、
仕方なかったが、紅楼夢の最終場面では、賈家は滅亡の一途をたどり、
十二釵の12人は次々と離散し中でも王熙鳳は他界する。その場面で、
心配して来た劉婆だが、貧乏で物乞いに来た10年前と10年後の、
世の移り変わりに驚き、馬車で帰って行く劉婆の表情は、
未来の事は一寸先闇と言うような厳しい表情が印象的だった。

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「欲望の赴くままに」

「中国写真ライフ」では、
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賈家の寧国邸で王煕鳳と賈宝玉は、秦可卿の義弟を紹介される。
賈宝玉と義弟の秦鐘は賈家が一族の少年たちを教育するために、
開いている私塾に通い始めたが、香憐と玉愛二人の男子塾生と、
心を通わせあうが、賈宝玉と秦鐘が13歳のころだった。ある日、
秦鐘と香憐が二人になった現場を、のぞき見し吹聴して回る。

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賈宝玉や秦鐘たちは、女の子が大好きだったが男の子も好きで、
その辺の教育が出来ていないような、自制が利かないというか、
欲望の赴くままに行動しても大貴族の貴公子で誰も咎める者がなく、
塾でも投げ合いや殴り合いが始まり、書童たちは物を振り回して、
暴れまわったが、罪悪感は全く残らないのが不思議でもある。

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「二人は意気投合」

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王熙鳳と賈宝玉は栄国邸に帰り、宝玉は最近病床の薛宝釵を見舞う。
薛宝釵の家は宮中御用達の商人であるが、着古した地味ななりだった。
見舞いに来てくれた賈宝玉が噂の通霊宝玉を首に掛けていることに、
気づいた薛宝釵は、通霊宝玉を見せてくれるように頼み、手に取る。
通霊宝玉の表と裏には文字が書かれており、その文字と薛宝釵の首に、
掛けている文句とが対になる事を知り驚く、賈宝玉と薛宝釵だった。

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二人は意気投合し語らっている処へ林黛玉がやって来て罰の悪そうな、
顔をするものだから、賈宝玉と林黛玉の関係を知っていた薛宝釵は、
その場を笑顔でつくろっていた。その後、母屋に帰った宝玉と黛玉は、
祖母の史太君に挨拶をして、宝玉の部屋に下がった。翌日、寧国邸の、
賈蓉が秦鐘を連れて来たので宝玉は、秦鐘を史太君に引き合わせる。
秦鐘の立ち居振る舞いの立派さを気に入り、宝玉の勉強相手として、
賈家の家塾に入ることが認められた。学業は一生の大事と入塾料を、
何とか工面して、秦鐘は無事に賈家の家塾に上ることになった。

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「塾生達の交際が乱れる」

「中国写真ライフ」では、
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今度は秦可卿が病気になり医者に診せるが一向に良くならないので、
賈珍は張友士に診察してもらい、助かる見込みがあると処方箋を書く。
その後、寧国邸で賈敬の誕生祝の折、王煕鳳と賈宝玉が可卿を見舞う。
秦可卿は彼らに、私の病気では年は越せないと、か細く言う言葉に、
胸を突かれ、感情多感な賈宝玉は大粒の涙をこぼす。

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賈宝玉が塾に上る日が来たので身支度を整えて、邸内を挨拶に回る。
日頃の宝玉の言動を聞いている宝玉の父の賈政は、宝玉が真面目に、
勉学に励むとも思われず、挨拶に来た宝玉を叱り追い出してしまう。
家塾とは、賈一族の中に貧しく家庭教師を雇えない者のため子弟を、
一堂に集めて教育する機関であり、栄国邸から500mの所にある。
だが元々常識に欠けた塾生達の交際は乱れ勉学どころではなかった。

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「約束の時間に待っていた罠」

「中国写真ライフ」では、
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常日頃から王熙鳳を慕っていた賈瑞は憧れの熙鳳に接近することができた。
色目を使う賈瑞に微笑みを見せながらも、心では憤慨し不愉快感を見せる、
王熙鳳は、賈瑞を殺害する計画を練り始め、実行に移す日がやってきた。
門の鍵を開けておくから、自分で入って穿堂(ベランダ)で待つように、
話してあったが、約束の時間通りに賈瑞は、やって来て王熙鳳の名を呼ぶ。

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暗闇の中、王熙鳳の姿を探すが、いきなり門が閉められてしまったかと、
その時に塀の上から汚物が賈瑞の頭から、何度も掛けられてしまう。
一晩中真冬の寒風の中に置かれ、凍え死にそうで朝を迎える賈瑞は、
急ぎ、祖父の賈代儒の元へ帰り、井戸水で汚物を洗い流すが寒さの為、
失神して床に着いてしまい高熱にうなされる日々が続く。祖父は、
道士が置いて行った手鏡を賈瑞に渡すが、手鏡に映った王熙鳳の姿が、
頭蓋骨に変わった瞬間に心臓発作で、他界してしまう。

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